改修用ドレンは防水工事に欠かせない|役割や設置方法、メリットまで解説
建物の防水工事の見積もりによく出てくる“改修用ドレン“という言葉をご存知ですか?
改修用ドレンは、雨漏りの防止や建物の長寿命化に欠かせない大切な役割を果たしています。
しかし、改修用ドレンの具体的な機能やメリットについては、意外と知られていません。
本記事では、神奈川の防水プロフェッショナルである『大進双建』が、改修用ドレンの基本情報から設置手順・メリットや注意点・メンテナンス方法まで、詳しく解説していきます。
建物オーナーの方や管理者の方、防水工事に関心がある方は、ぜひ最後までお読みください。
このコラムのポイント |
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Contents
いったいドレンって何なの?
ドレンとは、屋上に降った雨水を集めて屋外へ排出する大切な設備です。
雨水をスムーズに排水することで、屋上に水がたまりにくくなります。
防水層への負担を軽減することで雨漏りを防ぎます。
ドレンの種類
ドレンにはおもに「縦型ドレン」と「横型ドレン」の2種類があります。
それぞれ特徴が異なり、設置場所や用途に応じて使い分けられます。
縦型ドレン:屋上の床面に直接設置するタイプのドレンです。
縦型ドレンの特徴 |
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縦型ドレンは排水効率が高く、トラブルが少ないのがメリットです。
しかし、床面にストレーナーが出るため、屋上を有効活用したい場合には邪魔になることがあります。
横型ドレン:屋上の壁際に取り付けるタイプのドレンです。
横型ドレンの特徴 |
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横型ドレンは、屋上の有効活用がしやすいというメリットがあります。
一方で、排水効率は縦型ドレンに劣るため、屋上の面積に応じて設計が必要です。
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ドレン周りは雨漏りが起きやすい
ドレンを取り付けるために建物に穴を開ける必要があるので、ドレン周りは建物のなかでもとくに雨漏りが起きやすい場所です。
実際に、国土交通省の「公共建築改修工事標準仕様書」でも、ドレン周りの処理の重要性が示されています。
以下の引用を見てみましょう。
平場の既存保護層等を残し、改修用ドレンを設けない場合は、ルーフドレン端部から500mm程度まで保護コンクリート等の既存保護層を四角形に撤去する。
上記は、ドレン周辺から雨漏りが起きやすいことを示しています。
改修用ドレンを設置しない場合はドレンの周辺を大きく撤去し、ドレンの近くで継ぎ目ができないようにすることがポイントです。
以下で、ドレン周りで雨漏りが起きやすい理由を順番に解説します。
ドレンの詰まり
ドレンにゴミや落ち葉が詰まると、下記の問題が起こる原因になります。
- スムーズな排水ができなくなる
- 屋上に水がたまりやすくなる
- たまった水が原因で雨漏りが発生する
さらに水がたまった防水層に亀裂やひび割れがあると、そこから水が侵入するリスクが高まります。
ドレンの詰まりは排水の問題だけでなく、建物の防水性能に影響を与える可能性があるので、年に1回程度はドレンの清掃をして詰まりを予防することが大切です。
接合部の劣化
排水ドレンと防水層の接合部分は、時間とともに劣化が進み、雨漏りしやすい箇所となります。
接合部が劣化する主な原因は、次の3つです。
- 地震や強風での揺れ
- 紫外線による防水層やシーリングの弾性の低下
- 温度変化による影響
劣化が進むと、接合部にすき間ができたり防水性能が低下したりして、雨漏りのリスクが高まります。
防水性能の維持には、定期的な点検とメンテナンスが欠かせません。
排水パイプの亀裂
排水パイプの構造も、雨漏りの原因の1つです。
排水パイプは、横パイプと縦パイプを「エルボ」という L字型の部材でつないでいます。
地震や強風の際に、それぞれの部材が別の揺れ方をすることで負荷がかかります。
揺れが繰り返されることで排水パイプに亀裂が生じて最終的には雨漏りにつながるので、定期的な点検とメンテナンスが大切です。
改修用ドレンとは?
改修用ドレンは、既存の排水設備を活かしながら防水性能を高める製品です。
既存のドレンを覆うように設置でき、排水口と排水パイプの奥まで水を流す蛇腹が一体になっています。
改修用ドレンには、次のようなメリットがあります。
- ドレンの取り替えよりも建物への影響を小さく抑えられる
- 工期の短縮が可能
- 工事コストの削減ができる
- 雨水の浸入を効果的に防げる
一般的な工法では、ドレン周辺を解体・撤去する必要がありますが、改修用ドレンを使えば建物への負担を軽減でき、工期の短縮や工事コストの削減が可能です。
一方で、改修用ドレンにも注意点があります。
既存のドレンにかぶせて施工するので、一回り細い排水パイプになり、排水能力が不足する可能性があります。
施工業者への見積もり依頼時に、排水能力が満たせるか忘れずに確認しましょう。
また防水工事を検討する際は、必ず複数の業者から見積もりを取ることをおすすめします。
見積もりの際の注意点については、以下の記事で詳しく解説しています。
>関連リンク:防水工事の見積もりで損をしない3つのポイント|相見積もりを取るべき理由と優良業者の見分け方を解説
大進双建では、初期費用だけでなく耐久性や保証内容も考慮した総合的な提案をいたします。
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改修用ドレンの設置方法
改修用ドレンの設置の手順を順番に解説します。
ドレンの清掃
まず、既存ドレンを清掃します。
既存ドレンのストレーナー(目皿)を取り外し、ドレンの周囲をていねいに清掃します。
ゴミや汚れが残っていると、改修用ドレンがうまく機能しない可能性があるので注意しましょう。
改修用ドレンを設置する
清掃が終わったら、改修用ドレンを設置していきます。
改修用ドレンを既存のドレンに差し込み、排水口周辺の鉛板をハンマーで叩くことで、下地の形状にあわせて鉛板を変形させ、密着させます。
改修用ドレンの周囲を補強する
次に、排水口の周辺に補強メッシュを貼り、シーリング材ですき間を埋めていきます。
この補強作業により、改修用ドレンと既存の防水層との接合部分の強度が増します。
防水層の施工
シーリング材の施工が完了したら、防水層を施工します。
仕上げ
防水層の施工が完了したらストレーナーを取り付け、水を流して排水の勾配が適切に取れていることを確認します。
以上が、改修用ドレンの基本的な設置手順です。
防水工事は専門的な知識と技術が必要な作業なので、小さな補修であってもDIYでの施工は避け、必ず専門業者に依頼しましょう。
大進双建では目視以外に打診検査や水濡れ試験など、状況に応じて適切に診断いたします。
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屋上の防水工事を検討されている方は、ぜひ「大進双建」にお気軽にご相談ください。
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監修者情報

- 株式会社大進双建 代表取締役
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17歳から防水工事・外壁修繕の現場で実務を開始し、大手下請け会社や官公庁工事に携わる。
8年の実務経験を経て独立後、年間30件以上の大規模修繕工事を手掛ける。
住宅、アパート、倉庫などの防水・塗装工事においても豊富な施工実績を持つ。
一級建築施工管理技士
一級ウレタン塗膜防水施工技能士
一級シーリング防水施工技能士
一級塩化ビニルシート防水施工技能士
一級アスファルトトーチ防水施工技能士