大規模修繕の防水工事とは|屋上・床・階段・シーリングの工事内容を解説

大規模修繕の防水工事とは|屋上・床・階段・シーリングの工事内容を解説|アイキャッチ

大規模修繕の防水工事は、マンションなどの建物を雨水から守り、劣化を防ぐために欠かせない工事のひとつです。

防水工事というと屋上防水をイメージしやすいですが、実際の大規模修繕では、バルコニーや共用廊下・階段などの床防水、外壁の目地やサッシ周りのシーリング工事も行います。

ただし、すべての場所を同じ方法で施工するわけではありません。

既存の防水層や下地の状態、劣化している範囲などを確認し、それぞれの場所に適した工法や施工範囲を判断することが大切です。

今回は、神奈川県を中心にマンションやビルの大規模修繕・防水工事を手がける大進双建が、大規模修繕で行う防水工事について実際の施工事例を交えながら解説します。

「どこまで防水工事が必要なのか」「大規模修繕まで待ってよいのか」と迷っている方も、建物の状態に合った修繕計画を考えるためにお役立てください。

このコラムで分かること

  • 大規模修繕の防水工事は、屋上だけでなくバルコニー・共用廊下・階段・シーリングなども対象です
  • 防水工法は一律ではなく、施工する場所や既存の防水層、劣化状態に合わせて選びます
  • ひび割れ・剥がれ・膨れ・水たまり・雨漏りなどは、防水工事を検討するサインです

大規模修繕の防水工事は建物への雨水の浸入を防ぐために行う

マンションの大規模修繕工事の外観の様子

大規模修繕の防水工事は、屋上やバルコニーなどの防水層を改修し、建物への雨水の浸入を防ぐために行います。

防水層にひび割れや剥がれなどが生じ、そこから雨水が入り込むと、下地や建物内部の劣化、雨漏りにつながるおそれがあるためです。

また、大規模修繕では、共用廊下・階段などの床防水や、外壁・サッシ周りのシーリングについても状態を確認します。

大規模修繕で防水状態を確認する主な場所は、以下のとおりです。

場所 主な役割・確認する部分
屋上 建物上部からの雨水浸入を防ぐ
バルコニー 床面や排水周辺から雨水の浸入を防ぐ
共用廊下・階段 床面から雨水の浸入を防ぎ、歩行性にも配慮する
外壁・サッシ周り シーリングによって外壁の目地やサッシ周りからの雨水浸入を防ぐ

 

なお、シーリング工事は、外壁の目地やサッシ周りなどのすき間を埋め、雨水の浸入を防ぐ工事です。

このように、大規模修繕では、屋上の防水層だけを見るのではなく、建物全体の雨水が入りやすい場所を確認することが大切です。

屋上や共用部の劣化が気になる場合や、大規模修繕まで工事を待ってよいか判断に迷う場合は、大進双建にご相談ください。
大進双建では、技術者の目線で建物の状態を調査し、必要な工事をご提案しています。

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マンション大規模修繕で防水工事を行う主な場所

シーリング打ち替えのための足場

マンションの大規模修繕では、屋上だけでなく、バルコニーや共用廊下・階段なども防水状態を確認し、必要に応じて改修します。

外壁の目地やサッシ周りから雨水が入り込むのを防ぐには、シーリングの状態も確認が必要です。

ここでは、大規模修繕で防水工事を行う主な場所と、それぞれの確認ポイントを解説します。

屋上|建物上部からの雨水浸入を防ぐ

マンションの屋上は雨や紫外線の影響を直接受けるため、大規模修繕で防水状態を確認する重要な場所です。

屋上防水には、主に以下の工法があります。

  • ウレタン塗膜防水
  • シート防水
  • アスファルト防水

どの工法が適しているかは、建物によって異なります。

既存の防水層の種類や劣化状態、下地に水分が含まれていないかなどを調べたうえで、改修方法を検討することが大切です。

 

屋上防水の工法や選び方については、以下の記事で詳しく解説しています。

〈関連ページ〉屋上防水の種類と選び方|メリット・デメリットから費用相場も解説

バルコニー|床面と排水部分の状態を確認する

マンションのバルコニーも、雨水や紫外線の影響を受けるため、防水状態を確認する場所のひとつです。

床面の防水層が劣化すると、ひび割れや剥がれなどが生じます。

そのため、床面だけでなく、雨水が集まる排水口(ドレン)や床と壁が接する立ち上がり部分も確認することが大切です。

マンションのバルコニーの床と排水口の施工前の様子

〈施工事例:マンションのバルコニー防水工事〉

改修する際は、既存の防水層や劣化状態に合わせて、ウレタン塗膜防水などの工法を選びます。

 

バルコニーの防水工事については、以下の記事を参考にしてください。

〈関連ページ〉ベランダ・バルコニーの防水工事とは|主な工法と手順・費用の目安まで詳しく解説

共用廊下・階段|防水性だけでなく歩行時の安全性も考える

マンションの共用廊下や階段では、防水性だけでなく、滑りにくさや摩耗に強いことも考慮して改修方法を選びます。

雨が吹き込む場所では、建物の仕様や劣化状態に応じて床防水を行います。

改修方法のひとつが、防滑性のある長尺シートを床面に施工する方法です。

長尺シートは、マンションの共用廊下や階段などに使用されるシート状の床材です。

マンションの階段に長尺シートを施工している様子

〈施工事例:マンション階段の長尺シート工事〉

防滑性や耐久性を備えた製品があり、端部や継ぎ目などを適切に処理して施工します。

 

マンション廊下の防水シート工事については、以下の記事も参考にしてください。

〈関連ページ〉マンション廊下の防水シート工事とは|長尺シート施工を事例で見る特徴と工事の流れ

外壁・サッシ周り|シーリングで目地からの雨水浸入を防ぐ

マンションの大規模修繕では、屋上や床の防水層だけでなく、外壁の目地やサッシ周りに施工されたシーリングの状態も確認します。

シーリングとは、建物の目地や部材同士のすき間を埋める材料です。

雨水の浸入を防ぐ役割がありますが、経年劣化によってひび割れや剥離、破断などが生じます。

劣化が進んでいる場合は、既存のシーリング材を撤去し、新しいシーリング材を充填する「打ち替え」などが必要です。

サッシ周りにシーリング材を充填している施工中の様子

〈施工事例:サッシ周りのシーリング打ち替え工事〉

このように、大規模修繕の防水工事では屋上だけでなく、バルコニーや共用廊下・階段、外壁・サッシ周りまで確認します。

施工する場所や既存の防水層によって適した工法が異なるため、次章では主な防水工法の違いを見ていきましょう。

大規模修繕で行う主な防水工法

屋上でウレタン塗膜防水を施行している様子

大規模修繕の防水工事は、施工する場所や既存の防水層によって適した工法が異なります。

主な施工場所と工法・材料の組み合わせは、以下のとおりです。

  • 屋上・バルコニーなど:ウレタン塗膜防水・シート防水・アスファルト防水などの防水工法
  • 共用廊下・階段:長尺シートなど
  • 外壁の目地・サッシ周り:シーリング

このうち、屋上やバルコニーなどで採用される主な防水工法の違いは、以下のとおりです。

防水工法 施工方法・特徴
ウレタン塗膜防水 ・液状のウレタン樹脂を塗り重ね、継ぎ目のない防水層をつくる
・複雑な形状の場所にも施工しやすい
・「密着工法」や「通気緩衝工法」などの施工方法がある
シート防水 ・塩化ビニルやゴム製の防水シートを敷いて防水層をつくる
・シートの厚みが均一で、比較的広い面積にも施工しやすい
アスファルト防水 ・アスファルトを含む防水材を何層も重ねて防水層をつくる
・アスファルト系の防水には、熱工法やトーチ工法など複数の施工方法がある

 

同じ屋上でも、既存の防水層の種類や劣化状態、屋上の形状などによって適した改修方法は変わります。

そのため、大規模修繕では工法を先に決めるのではなく、現在の防水層や劣化状態を調査したうえで施工方法を検討することが重要です。

大規模修繕で防水工事を検討する劣化症状

シーリングが劣化しているマンションの外壁

防水工事を検討する際は、築年数や前回の施工からの経過年数だけでなく、実際にどのような劣化症状が出ているかを確認することが大切です。

以下のような症状がないか確認しましょう。

防水層のひび割れ・剥がれ・膨れ

屋上やバルコニーの防水層に見られるひび割れ・剥がれ・膨れは、劣化症状のひとつです。

とくに注意したいのが、防水層の膨れです。

表面だけの問題ではなく、防水層の下に水分が入り込んでいる場合があります。

マンション屋上の防水層が膨れている様子

実際に大進双建が調査したマンションでは、屋上のアスファルト防水シートが大きく膨れていました。

調査すると、シートの継ぎ目(ジョイント)が破断し、そこから雨水が防水層の下へ入り込んでいることが判明しました。

さらに、この雨水が原因で、雨漏りも発生していました。

この事例のように、防水層の膨れが見られる場合は、表面の状態だけで判断せず、雨水がどこから入り込んでいるのかを確認することが大切です。

〈関連ページ〉2〜3年以内に大規模修繕工事を考えているが現状漏水しているお客様へ

シーリングのひび割れ・破断・剥離

外壁の目地やサッシ周りでは、シーリングのひび割れ・破断・剥離などがないか確認します。

シーリングは、外壁材などの継ぎ目を埋め、雨水の浸入を防ぐ役割を担う部材です。

劣化してシーリング材そのものが切れたり、外壁との間にすき間ができたりすると、雨水が入り込む原因になります。

水たまり・排水不良

屋上やバルコニーで、雨がやんだあとも水たまりが残っている場合は、排水状況の確認が必要です。

排水口の詰まりだけでなく、床面から排水口まで雨水が適切に流れているかも確認します。

とくに以前は見られなかった水たまりが出るようになった場合は、周辺の床面の状態も確認しましょう。

天井や壁に雨漏りの跡がある

天井や壁のシミ、雨天時の水滴などは、すでに建物内部へ雨水が入り込んでいる可能性を示す症状です。

ただし、雨漏りしている場所の真上に原因があるとは限りません。

雨漏りが確認された場合は、屋上の防水層や外壁、シーリングなども含めて雨水の浸入箇所を調査し、雨水がどこから入り、どの範囲まで影響しているのかを確認することが重要です。

大規模修繕の防水工事は現地調査をして施工範囲を決める

マンションの大修繕工事|シーリングの劣化の様子

防水層の膨れや雨漏りなどの症状が見つかった場合は、現地調査で原因や劣化範囲を確認し、必要な施工範囲を決めます。

見えている症状だけでは、部分的な補修で対応できるのか、広い範囲の改修が必要なのかを判断できないためです。

現地調査では、主に以下の点を確認します。

  • 既存の防水層の種類や状態
  • 劣化している場所と範囲
  • 雨漏りの有無や雨水の浸入経路
  • 防水層の下地の状態
  • 排水口や床面の排水状況
  • 外壁やサッシ周りのシーリングの状態
  • 次回の大規模修繕を予定している時期

前章で紹介したマンションは、2年後に大規模修繕を予定していたものの、屋上のアスファルト防水シートに膨れが生じ、雨漏りも発生した事例です。

この事例では、今後の大規模修繕を踏まえ、全面的に防水層を改修するのではなく、雨漏り箇所を中心とした一時的な補修を行いました。

施工範囲は現在の劣化状態だけでなく、原因や影響している範囲、今後の大規模修繕の予定も考慮して決めることが大切です。

「全面的な防水改修が必要なのか」「次回の大規模修繕まで部分補修で対応するのか」など、判断に迷っている方は、大進双建にご相談ください。
技術者が現地の状態を確認し、建物に必要な施工範囲を検討します。

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大規模修繕の防水工事に関するよくある質問

Q&A

最後に、大規模修繕の防水工事についてよくある質問に回答します。

Q. 大規模修繕の防水工事は何年ごとに必要ですか?

A. 防水工事が必要になる時期は、施工場所や既存の防水層、劣化状態などによって異なります。

国土交通省の「長期修繕計画標準様式」の参考例では、屋上防水(露出)の補修・修繕や、バルコニーなどの床防水について、12〜15年が修繕周期の目安として示されています。

ただし、この年数はすべてのマンションに当てはまるものではありません。

マンションの仕様などによって修繕周期は異なるため、長期修繕計画と実際の防水層の状態を確認したうえで、工事の時期を判断することが大切です。

〈出典〉国土交通省ウェブサイト:マンション管理に関する各種ガイドライン等「長期修繕計画標準様式、長期修繕計画作成ガイドライン」

Q. マンションの大規模修繕では屋上防水も毎回必要ですか?

A. 大規模修繕のたびに、屋上の防水層を全面的に改修するとは限りません。

既存の防水層にひび割れや膨れがないか、雨漏りが発生していないかなどを調査し、全面改修が必要なのか、部分的な補修で対応できるのかを判断します。

大規模修繕の時期だけを基準にせず、屋上の状態を確認したうえで工事内容を決めることが大切です。

Q. 大規模修繕の防水工事中はバルコニーを使用できますか?

A. バルコニーの防水工事中は、工程によって使用できない期間があります。

防水材の施工中や乾燥・硬化を待つ間などは、施工箇所への立ち入りが制限されます。

また、工事前にバルコニーの荷物を移動する必要があるほか、洗濯物を外に干せない期間が生じる点にも注意が必要です。

使用できない期間は工法や施工内容によって異なるため、工事前に工程や使用制限を確認しておきましょう。

Q. 大規模修繕の防水工事は雨の日でも施工できますか?

A. 雨天時は、防水工事の工程によって施工できない場合があります。

防水工法や使用する材料にはそれぞれ施工条件があり、下地が濡れている状態では施工を見合わせる工程もあります。

大規模修繕では天候によって予定していた工程を変更する場合もあるため、雨天時の対応や工期への影響について、施工会社へ確認しておくことが大切です。

大規模修繕の防水工事のことなら「大進双建」にお任せください

今回は、マンションの大規模修繕で行う防水工事について、主な施工場所や工法、劣化症状、施工範囲を解説しました。

大規模修繕では屋上だけでなく、バルコニーや共用廊下・階段、外壁・サッシ周りのシーリングなども状態を確認し、必要に応じて改修します。

必要な工法や施工範囲は、既存の防水層や劣化状態によって異なる点にも注意が必要です。

大規模修繕まで期間があっても、すでに雨漏りや防水層の膨れなどが見られる場合は、早めに建物の状態を確認することが大切です。

大進双建の防水工事相談を案内するスタッフ写真

神奈川県を中心にマンションなどの防水工事・大規模修繕工事を検討中の方は、大進双建にご相談ください。
現地調査で建物の状態を確認し、必要な施工範囲をご提案します。

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監修者情報

高橋 博之
高橋 博之株式会社大進双建 代表取締役
17歳から防水工事・外壁修繕の現場で実務を開始し、大手下請け会社や官公庁工事に携わる。
8年の実務経験を経て独立後、年間30件以上の大規模修繕工事を手掛ける。
住宅、アパート、倉庫などの防水・塗装工事においても豊富な施工実績を持つ。

一級建築施工管理技士
一級ウレタン塗膜防水施工技能士
一級シーリング防水施工技能士
一級塩化ビニルシート防水施工技能士
一級アスファルトトーチ防水施工技能士