パラペット防水とは|雨漏りを防ぐポイントと劣化のサインや改修方法を解説

パラペット防水とは|雨漏りを防ぐポイントと劣化のサインや改修方法を解説

パラペットは、屋上やバルコニーの立ち上がり部分にある重要な構造で、雨水の侵入を防ぎます。

しかし、紫外線や風雨の影響を受けやすく、ひび割れやシーリングの劣化が進むと雨漏りの原因になることも少なくありません。

この記事では、神奈川の防水工事のプロフェッショナル「大進双建」が、パラペットの役割、劣化によるトラブル、防水工事の主な方法や点検ポイントをわかりやすく解説します。

このコラムのポイント
  • パラペットの劣化は雨漏りの主要原因となるため早期点検が重要です。
  • 防水工事や笠木修繕など、状態に合わせた対策でトラブルを防げます。
  • 費用相場と施工事例を参考に、最適な工事を検討できます。

 

パラペットとは

施工事例|施工後|屋上ウレタン塗膜防水工事|東京都八王子市

パラペットとは、屋上やバルコニーの端にある低い立ち上がり部分のことです。

特にマンションやビルなどの陸屋根(平らな屋根)を採用している建物に多く設置されています。

戸建て住宅でも陸屋根の場合はパラペットが設けられることがあり、防水性能を確保するうえで重要な役割を果たします。

パラペットの主な役割には以下のとおりです。

  • 建物の防水機能を補完する
  • 外壁の劣化を抑える
  • 転落を防止する
  • デザイン性の向上

ただし、パラペットは紫外線や風雨を直接受けるため、建物の中でも劣化しやすい位置にあります。

そのため、定期的なメンテナンスや防水対策が欠かせません。

劣化や破損を放置してしまうと、雨水が内部に入り、内壁や構造材を腐食させるおそれがあります。

 

パラペットの状態が気になる方は、「大進双建」にお気軽にお問い合わせください。

建物の状態を確認し、必要な防水対策をご提案いたします。

<現地調査・お見積りの依頼はこちら>

パラペットから雨漏りする原因と建物への影響

施工事例|施工前|屋上ウレタン塗膜防水工事|東京都品川区

パラペットは雨漏りが発生しやすい部位のひとつです。

ここでは、雨漏りにつながる原因と建物への影響について解説します。

パラペットの劣化による雨漏り

パラペットは雨水を受けやすい位置にあるため、劣化が進むと雨漏りにつながりやすい部位です。

以下のような症状が見られる場合は、パラペットの劣化が進んでいる可能性があります。

  • パラペットの壁部分のひび割れや欠け
  • 防水層のひび割れ、浮き、剥がれ
  • パラペットと外壁の接合部のシーリング材の割れ、剥がれ
  • 塗装の劣化 など

これらを放置すると立ち上がり部分から雨水が入り込み、外壁内部や室内側への浸水だけでなく、鉄筋の腐食やコンクリートの剥離など、建物そのものへのダメージにつながるおそれがあります。

笠木(かさぎ)の不具合による雨漏り

パラペットの上部には、仕上げ材である「笠木(かさぎ)」が取り付けられていることが多くあります。

金属製やコンクリート製のものが一般的で、経年とともにサビ・変形・浮き・外れなどの症状が現れやすい部位です。

笠木が浮いたり、継ぎ目のシーリングが切れたりすると、その隙間から雨水が入り込み、パラペット内部の腐食や雨漏りの原因となります。

笠木の劣化は外観だけでは分かりにくい場合も多いため、定期的な点検が大切です。

排水不良による雨漏り

パラペットのある屋上は、一般的な屋根のように傾斜で水を流すだけではなく、パラペット内側に「内樋(うちどい)」を設けて排水する構造になっています。

そのため、排水溝や内樋付近に泥・砂・落ち葉が溜まっていると排水がスムーズに行われなくなり、パラペットまわりに水が滞留します。

水が溜まる状態が続くと、防水層の劣化が一気に進み、雨漏りを引き起こす可能性が高くなるため注意が必要です。

 

排水不良への対策として用いられる「改修用ドレン」については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

〈関連ページ〉改修用ドレンは防水工事に欠かせない|役割や設置方法、メリットまで解説

パラペットのメンテナンスと改修方法

施工事例|施工後|屋上ウレタン塗膜防水工事|神奈川県横浜市

パラペットは、日常の簡易的なケアから専門的な防水工事まで、状況に合わせたメンテナンスが必要です。

ここでは、雨漏りを防ぎ建物の状態を良好に保つための基本的な対策と、劣化が進んだ場合の改修方法を紹介します。

パラペットまわりの清掃

パラペットの内側に設けられた内樋や排水溝には、泥・砂・落ち葉が溜まりやすく、詰まると雨水が滞留してしまいます。

排水不良は、防水層の劣化を早めるだけでなく、雨漏りの原因にもつながるため、定期的にゴミを取り除き、排水の流れを確保しておくことが重要です。

特に大雨や台風などの後は必ずチェックするようにしましょう。

 

排水溝まわりのつまりや清掃方法は、こちらの記事でも解説しています。

〈関連ページ〉ベランダの排水溝のつまりの原因と解消方法|専門業者に依頼すべきケースやメンテナンス方法も紹介

パラペット防水工事

パラペットの劣化が進んでいる場合や、雨漏りが発生している場合は、防水工事による改修が必要です。

防水工事には以下の工法があります。

防水工事の工法 特徴
ウレタン塗膜防水 ・ウレタン樹脂を塗り重ねて防水層をつくる工法
・継ぎ目がないため複雑な形状でも施工しやすい
・重ね塗りによる補修も容易
・防水層の厚みを均一に仕上げるには職人の技術が求められる
シート防水 ・塩ビシートやゴムシートを貼り付けて施工する工法
・耐久性・耐候性に優れている
・施工スピードが速く、工期を短縮したい現場に向いている
・複雑な構造には不向き
アスファルト防水 ・アスファルトを染み込ませたシートを何層も貼り重ねて防水層を形成する工法
・防水性・耐久性に優れている
・施工後すぐに防水性能を発揮する
・高い技術力が必要で、施工品質にばらつきが出る可能性がある

 

パラペットには複数の防水工法があり、建物の状態や既存の防水仕様に合わせて選択しましょう。

 

マンションの屋上防水工事については、こちらの記事で詳しく解説しています。

〈関連ページ〉マンション屋上防水工事の流れと注意点を解説|費用相場や施工実績も紹介

笠木の修繕方法

笠木はパラペットの最も雨水が当たりやすい部分で、劣化すると内部への浸水を招きやすいため、適切な修繕が必要です。

笠木の修繕には以下の方法があります。

  • 既存の笠木を撤去し、新しい笠木に取り替える
  • 既存笠木の上から新しい金属笠木を覆うように取り付ける
  • 笠木の継ぎ目となるジョイント部分のシーリングの打ち替え・打ち増し

笠木の劣化状況によって最適な修繕方法は異なるため、状態を正確に把握することが大切です。

1年に1回の定期点検

パラペットは劣化していても表面からは分かりにくいことが多く、早期発見が難しいため、専門業者による定期点検が重要です。

点検の目安は、1年に一度の簡易チェックと5年程度を目安とした詳細点検を組み合わせるのがおすすめです。

建物の資産価値を守るためにも、定期的な点検と適切なメンテナンスをしましょう。

 

パラペットの定期点検は、「大進双建」にお問い合わせください。

建物の状態を確認し、必要な防水対策をご提案いたします。

<現地調査・お見積りの依頼はこちら>

パラペット防水工事の費用目安

施工事例|施工中|屋上通気緩衝工法|神奈川県藤沢市

パラペットの防水工事にかかる費用は、採用する工法や劣化の程度、施工範囲によって大きく変わります。

  • ウレタン防水:4,000円〜/㎡
  • 塩ビシート防水:5,500円〜/㎡
  • アスファルト防水:5,500円〜/㎡
  • シーリング工事:1,000円〜/m

工法の材料費と施工費を含む一般的な目安です。

下地補修や仮設工事・足場費用、排水ドレンまわりの処理などは別途費用が上乗せされるケースが多いので注意が必要です。

 

大進双建の詳しい料金は、以下のページでご確認いただけます。

自社施工を行う防水専門店のため、仲介手数料がかからず、適正価格で工事を提供することが可能です。

料金について

施工事例紹介

施工事例|施工中|バルコニーウレタン塗膜防水 |静岡県伊東市

ここでは、実際に大進双建が行ったパラペット防水工事の施工事例をご紹介します。

ウレタン塗膜防水を採用した事例

こちらは、屋上全体に対して、ウレタン塗膜防水を施工した事例です。

施工事例|施工前|屋上通気緩衝工法ウレタン塗膜防水|神奈川県藤沢市 

屋上の防水層は全体的に汚れが広がり、パラペット天端にも汚れが付着し、紫外線や風雨によるダメージが蓄積していました。

施工事例|施工中|屋上通気緩衝工法ウレタン塗膜防水|神奈川県藤沢市 

下地の清掃とプライマー塗布を行った後、ウレタン防水材を均一に塗り広げていきます。

屋上の形状に合わせて細かな部分も丁寧に仕上げ、継ぎ目のない防水層を形成しています。

施工事例|施工後|屋上通気緩衝工法|ウレタン塗膜防水|神奈川県藤沢市

施工完了後は、表面に光沢のある防水層が形成され、雨水をしっかり弾く状態に仕上がりました。

パラペット部分も新しい防水材で覆われたことで、立ち上がり部からの雨水侵入リスクを低減できます。

アスファルト防水トーチ工法を採用した事例

こちらは、マンション屋上で劣化が進んだパラペットまわりに対して、アスファルト防水トーチ工法を用いた事例です。

施工事例|施工前|屋上アスファルト防水トーチ工法|横浜市南区|マンション

パラペットの立ち上がり部分や屋上床面には、ひび割れやジョイント部の劣化が多数見られました。

施工事例|施工中|屋上アスファルト防水トーチ工法|横浜市南区マンション 

アスファルト防水トーチ工法では、バーナーの熱でアスファルトシートを溶かしながら密着させ、防水層を形成します。

下地処理を行った後、立ち上がり部分から丁寧にシートを貼り付け、継ぎ目も確実に融着させていきます。

施工事例|施工後|屋上アスファルト防水トーチ工法|横浜市南区マンション 

施工後は、継ぎ目部分の割れがなくなり、パラペットの立ち上がり全体が新しい防水層で保護された状態となりました。

 

大進双建では今回ご紹介した以外にも、マンションやビルの屋上・バルコニー・共用部など、さまざまな施工実績があります。

詳しくは以下のページをご覧ください。

施工実績はこちら

防水工事のことなら「大進双建」にお任せください!

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パラペットの劣化は早期対応が重要です。

小さなひび割れでも雨漏りにつながる可能性があるため、気になる症状があれば専門業者に相談しましょう。

防水工事や外壁補修をご検討の際は、大進双建にお気軽にご相談ください。

建物の状態に合わせた最適な方法をご提案いたします。

<現地調査・お見積りの依頼はこちら>

監修者情報

高橋 博之
高橋 博之株式会社大進双建 代表取締役
17歳から防水工事・外壁修繕の現場で実務を開始し、大手下請け会社や官公庁工事に携わる。
8年の実務経験を経て独立後、年間30件以上の大規模修繕工事を手掛ける。
住宅、アパート、倉庫などの防水・塗装工事においても豊富な施工実績を持つ。

一級建築施工管理技士
一級ウレタン塗膜防水施工技能士
一級シーリング防水施工技能士
一級塩化ビニルシート防水施工技能士
一級アスファルトトーチ防水施工技能士