鉄筋コンクリ―トの爆裂が起きる原因と放置するリスク、対策をわかりやすく解説
鉄筋コンクリート造の建物は耐久性が高いイメージがありますが、コンクリートの爆裂は注意すべきトラブルの1つです。
コンクリートの爆裂が発生すると、建物の美観を損ねるたけでなく、耐久性や耐震性が低下するなどさまざまなリスクがあります。
また、爆裂を放置するとどんどん症状が進行し、補修費用が高額になるケースも多いです。
そこでこの記事では、神奈川の防水プロフェッショナル「大進双建」が、鉄筋コンクリートの爆裂が起きる原因や放置するリスク、補修方法について詳しく解説します。
このコラムのポイント |
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Contents
コンクリートの爆裂とは?
コンクリートの爆裂とは、鉄筋コンクリートの内部にある鉄筋が何らかの理由で錆びて膨張し、内側から破壊する現象のことです。
内部の鉄筋の膨張が原因となっているため、鉄筋爆裂と呼ばれることもあります。
爆裂が発生すると、コンクリートの表面が膨らんだり、ボロボロになったりして内部の鉄筋の錆びた水が流れ出ることもあります。
本来コンクリートの内部はアルカリ性のため、鉄筋が錆びることはありません。
しかし、ひび割れから空気や水分が侵入することでコンクリートの中性化が進み、鉄筋が錆びる状態になってしまうのです。
鉄筋は錆びると体積が膨張するため、内側からコンクリートを押し出して爆裂してしまいます。
実際にコンクリートの爆裂が発生する原因は、建物の構造や劣化の状態などさまざまな要因で変わります。
次の章から、コンクリートの爆裂が起きる原因を確認していきましょう。
コンクリートの爆裂が起きる原因
コンクリートの爆裂は雨漏りが原因となることが多いですが、発生状況にはさまざまなパターがあります。
爆裂の原因となることが多いケースを1つずつ見ていきましょう。
ひび割れからの浸水
屋上や外壁など、コンクリートのひび割れが発生すると雨水が染みこみ、中性化が進んで鉄筋爆裂の原因になることがあります。
ヘアークラックと呼ばれる幅0.3mm以下の軽微なひび割れは、すぐに雨水が浸水する可能性は低いです。
しかし、地震による揺れや建物の歪みによる構造クラックの場合、雨水が侵入しやすく中性化や爆裂の原因となる可能性があります。
ひび割れの診断は見た目だけでは難しいため、定期的にご自身で建物を目視点検し、怪しい箇所を見つけたらプロに相談するのがおすすめです。
笠木からの浸水
バルコニーの手すりや屋上の立ち上がりについている笠木からの浸水も、コンクリート爆裂の原因となることが多いです。
笠木は立ち上がり壁の高い場所に設置されているため、雨風や紫外線などを受けて劣化しやすく、すき間からの浸水が発生しやすいです。
また、アルミや鉄板などを加工して被せた笠木も、取り付けのビスやコーナー部のすき間などから浸水するケースが見られます。
笠木の周辺は特に念入りに点検をして、ひび割れや膨らみなどコンクリート爆裂の前兆を見かけたら早めにプロに相談しましょう。
防水層や塗膜の劣化
屋上の防水層や塗膜の劣化も、コンクリート内部に雨水が侵入する原因となり鉄筋爆裂を引き起こすケースが多いです。
コンクリート自体は水密性を持っていますが、表面は水を吸い込む性質があるため、膨張伸縮により前述したひび割れが発生することがあります。
また、防水塗膜が劣化することで、コンクリートのつなぎ目やすき間から浸水し鉄筋爆裂を起こすケースも考えられます。
屋上防水や外壁塗装は10年前後がメンテナンスの目安と言われていますので、定期的な点検や塗り直しなどを実施しましょう。
火災による熱
ここまでご紹介した雨漏りによる原因以外に、火災による熱がコンクリート爆裂の原因となることもあります。
鉄筋コンクリートは熱に強い素材ですが、火災により熱を受けると内部に含まれる水蒸気や鉄筋が膨張し、爆裂が発生する可能性があります。
ぼやなどの軽微な火災なら鉄筋コンクリート自体は使えるケースが多いですが、爆裂による二次被害に注意が必要です。
上記のような原因による鉄筋コンクリートの爆裂を防ぐには、適切なメンテナンスを行うことが重要です。
防水工事や雨漏り修理の実績が豊富なプロに相談して、定期点検やメンテナンスによって爆裂を防ぎましょう。
「大進双建」は多くの防水工事や雨漏り修理で培ったノウハウを活かし、お客様の大切な建物を診断・メンテナンスいたします。
コンクリートの爆裂を放置するリスク
コンクリートの爆裂は表面のみの軽微なケースもありますが、放置すると次のようなリスクが発生します。
見た目が悪くなり資産価値や入居率が低下する
コンクリートが爆裂すると、表面が押し出されて塗装や外壁タイルなどが剥がれ、悪影響を及ぼすリスクがあります。
爆裂の跡があると単に見た目が悪くなるだけでなく、メンテナンスが行き届いていない印象を与えてしまいます。
売却時の資産価値が低く見積もられたり、賃貸経営における入居率が低下したりする可能性があります。
コンクリートが剥落し劣化が進行する
爆裂によってコンクリートの表面が剥落した状態だと、浸水や鉄筋のサビが進行してさらに劣化するリスクがあります。
最初は軽微な爆裂だとしても、劣化や症状が進行すると範囲が大きくなり、補修の手間や費用が増加する可能性が高いです。
爆裂によってコンクリートの内部や鉄筋が露出している状態だと、雨水や湿気などを受けてどんどん症状が進行してしまいます。
表面を補修材などで埋めただけでは、鉄筋の錆が止まらず症状が進行する可能性が高いため、次の章で紹介する補修を検討しましょう。
建物の寿命が短くなり耐震性が低下する
コンクリートの爆裂が進行すると、建物の寿命や耐震性に影響する重大なダメージを受ける可能性があります。
爆裂によってボロボロになったコンクリートや錆びた鉄筋は本来の性能を発揮できず、設計時の耐震性を維持できなくなります。
地震の揺れによる損壊や倒壊リスクが高くなるだけでなく、建物の寿命を縮める原因にもなり得えるのです。
コンクリートの爆裂の補修方法
前述したように、コンクリートの爆裂を放置するとさまざまなリスクがあるため、なるべく迅速に補修するのが理想です。
コンクリート爆裂の補修方法は、発生状況や進行具合によって変わりますが、一般的な手順をご紹介します。
爆裂箇所のコンクリートを除去する
まずは、爆裂した箇所のコンクリートを除去して、錆びている鉄筋を露出させます。
斫り(はつり)と呼ばれる作業で、爆裂周辺のコンクリートを除去していきます。
鉄筋の錆が残っていると、補修した後で爆裂が再発する可能性があるため、確実に原因の箇所を露出させることが大切です。
鉄筋の錆びを落とすして防錆処理をする
爆裂の原因となっている鉄筋の錆を、ブラシなどを使って落とします。
錆をキレイに落としたら周辺を清掃し、再発しないようにするのがポイントです。
錆を落とした鉄筋は、防錆作用のある塗料などを塗布して再発を防ぎます。
補修用モルタルで表面を埋める
コンクリートをはつった箇所にプライマーと呼ばれる接着剤を塗布し、補修用のモルタルで表面を平らに埋めます。
補修材は樹脂モルタルやポリマーセメントモルタルなどの種類があり、範囲や状況に合わせて選択します。
塗装やタイルなどの表面仕上げ
乾燥時間を経て補修モルタルが硬化したら、塗装やタイルの貼り付けなどで元の表面仕上げに戻します。
爆裂が目立つ場所にある場合は、塗料のカラー番号やタイルの品番などを調べて、なるべく元と同じ仕上がりにするのがおすすめです。
コンクリートの爆裂や雨漏り補修は、防水工事のプロ「大進双建」にご相談ください。多くの実績で培った技術を活かし、適切な補修方法をご提案いたします。
コンクリートの爆裂はDIY補修できる?
最近はホームセンターやネット通販などで工具や補修材が手に入るため、コンクリートの爆裂をDIY補修する方も増えているようです。
適切な道具や材料をそろえれば、プロでなくてもDIYで爆裂を補修することは可能です。
ただし、鉄筋の錆の範囲を見極めて再発を防がないと、補修した後に再び爆裂が発生するリスクもあります。
また、コンクリートの深くまでサビや爆裂が達している場合は、表面の軽微な補修だけではなく、建物全体の修繕や防水工事が必要になるケースもあります。
診断や作業に自信がない方は、なるべくDIYではなく専門家に相談するのが確実です。
防水工事のことなら「大進双建」にお任せください!
鉄筋コンクリートの爆裂は、軽微なものから建物の寿命や耐震性に影響するものまでさまざまなパターンがあります。
もし爆裂を見つけたら放置せず、なるべく早めにプロに相談し、適切な方法で補修しましょう。
神奈川・東京・千葉・埼玉の建物の診断や防水工事のことは、「大進双建」にお任せください。
爆裂の原因を診断し、適切な補修方法や予防工事などをご提案いたします。
監修者情報

- 株式会社大進双建 代表取締役
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17歳から防水工事・外壁修繕の現場で実務を開始し、大手下請け会社や官公庁工事に携わる。
8年の実務経験を経て独立後、年間30件以上の大規模修繕工事を手掛ける。
住宅、アパート、倉庫などの防水・塗装工事においても豊富な施工実績を持つ。
一級建築施工管理技士
一級ウレタン塗膜防水施工技能士
一級シーリング防水施工技能士
一級塩化ビニルシート防水施工技能士
一級アスファルトトーチ防水施工技能士