シート防水の改修にかぶせ工法はできる?適している条件やメリット・デメリットも解説
賃貸物件オーナーなら避けて通れないのが屋上防水の改修です。
既存のシート防水を撤去せずに新しい防水層を重ねる「かぶせ工法」が採用できるかは、シート防水の施工方法や劣化の程度によって判断が分かれます。
本記事では、神奈川の防水プロフェッショナルである「大進双建」が、シート防水の改修におけるかぶせ工法の施工条件やメリット・デメリットを詳しく解説します。
シート防水の改修方法を検討されている方は、ぜひ最後までごらんください。
このコラムのポイント |
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Contents
シート防水とは
シート防水とは、塩化ビニルや合成ゴムでできた防水シートを建物の屋上に敷設して、雨水の浸入を防ぐ工法です。
シート防水には「密着工法」と「機械固定工法」の2つの施工方法があります。
密着工法は、防水シートを接着剤などで下地に直接貼り付ける方法です。
一方、機械固定工法は、防水シートを専用のディスクや固定金具で下地に固定します。
機械固定工法の場合には、既存と新しい防水層の間に水が溜まりやすくなるため、基本的にかぶせ工法は使えません。
>関連リンク:シート防水の種類と特徴|メリット・デメリットから工法、メンテナンス方法まで解説
かぶせ工法とは|撤去工法との違い
かぶせ工法は、既存の防水層を残したまま、その上に新しい防水層を施工する方法です。
一方、撤去工法は、既存の防水層を完全に撤去してから、新しい防水層を施工する方法です。
かぶせ工法は撤去工法と比べて工期が短く、廃材が少なく、コストも抑えられるというメリットがあります。
賃貸物件のオーナーにとっては、入居者への負担を抑えながら防水性能を回復できる点が魅力です。
ただし、建物への負荷が増えるなどのデメリットもあるため、事前に専門業者に相談することをおすすめします。
こちらの記事で、かぶせ工法と撤去工法の違いを詳しく比較しています。
>関連リンク:かぶせ工法とは|屋上防水の工期短縮とコスト削減を実現する方法
シート防水の改修やかぶせ工法での施工をご検討中の方は、ぜひ大進双建にお問い合わせください。
ご不明な点やご相談など、どんなことでもお気軽にご相談いただけます。
シート防水にかぶせ工法を施工できる5つの条件
シート防水の改修にかぶせ工法を採用する場合、すべての状況で施工できるわけではありません。
ここでは、シート防水にかぶせ工法が適している5つの条件を説明します。
シート防水が密着工法で施工されている
かぶせ工法で施工するには、既存のシート防水が“密着工法”で施工されている必要があります。
密着工法とは、防水シートを接着剤で下地に貼り付ける工法です。
この工法で施工されたシート防水は下地と一体化しているため、上に新しい防水層を設けても安定します。
一方、機械固定工法の場合は、かぶせ工法に適していません。
機械固定工法では防水シートと下地の間に空間ができやすく、上に新しい防水層を施工すると防水層の間に水が溜まる可能性があるためです。
機械固定工法のシート防水は、シート表面に円形の固定ディスクが規則的に並んでいるのが特徴です。
既存の防水層が密着している
かぶせ工法で施工するには、既存のシート防水層が下地にしっかりと密着していることが大切です。
既存の防水層に浮きがあると、その上に新しい防水層を施工しても浮きの部分が不安定になり、新しい防水層も浮いて防水性能が低下する可能性があります。
部分的な浮きがある場合は、その箇所だけを補修してからかぶせ工法を施工することも可能です。
ただし、広範囲に浮きがある場合は、かぶせ工法ではなく撤去工法を検討しましょう。
既存防水層の劣化が軽い
既存のシート防水層の劣化が軽微であることも、かぶせ工法で施工するためには欠かせません。
シート防水の劣化症状には、変色・ひび割れ・膨れ・破れなどがあり、これらの症状が軽微で防水層としての機能を保っている場合は、かぶせ工法で施工できます。
しかし、劣化が進行して防水層が脆くなっていたり、すでに漏水が発生していたりする場合は、かぶせ工法では根本的な解決にならない可能性があります。
下地に強度がある
下地が弱くなっている場合は、かぶせ工法で施工しても、新しい防水層が剥がれることがあります。
かぶせ工法で施工するためには、下地であるコンクリートに十分な強度が必要です。
建物の屋上は、経年劣化や水の侵入によって徐々に強度が低下することがあり、コンクリートの中性化や鉄筋の錆びが進行していると、下地の強度が著しく低下します。
下地に強度がない状態では、新たに防水層を施工しても、下地の劣化が進行し続け、結局は防水層の剥がれにつながります。
下地が水分を含んでいない
かぶせ工法を成功させるためには、下地に含まれる水分量が低いことが条件です。
下地に水分が残っていると、水蒸気圧で防水層が膨れたり、接着不良につながるため要注意です。
屋上の下地は雨水の侵入によって水分を含むことがあり、水分が残ったまま防水工事を行うと太陽の熱によって水分が水蒸気に変わり、防水層を押し上げます。
その結果、防水層が膨れや剥がれが生じ、防水性能が低下します。
既存防水層の状態を正確に判断するには、専門業者による調査が欠かせません。
定期的な点検により防水層の劣化を早期に発見し、定期的に防水層を改修できます。
結果として、建物の寿命を延ばすだけでなく、将来的な修繕費用の削減にもつながります。
シート防水の改修をご検討なら、大進双建にご相談ください。
自社管理体制により費用を抑えて、高品質な施工を実現します。
かぶせ工法のメリット・デメリット
シート防水の改修にかぶせ工法を採用する場合、メリットとデメリットを理解しておくことが重要です。
ここでは、かぶせ工法の主なメリットとデメリットについて説明します。
メリット
かぶせ工法のメリットは以下の4つです。
- 工期が短い
- 入居者への負担が少ない
- 費用が比較的安い
- 騒音や振動が少ない
「かぶせ工法は安い」と思われがちですが、実際には建物の状況や既存防水層の状態によって費用は大きく変わります。
物件の状態によっては撤去工法の方が総合的なコストパフォーマンスに優れるケースもあるため、専門業者による適切な診断と提案を受けるのがおすすめです。
デメリット
かぶせ工法のデメリットは以下の2つです。
- 防水層が二重になるため重量が増える
- 既存の防水層の状態が悪い場合は効果が期待できない
これらのデメリットがあるとはいえ、現状のシート防水が密着工法で施工されており、目立った劣化がないのであれば、かぶせ工法が一般的に選ばれます。
大切なのは、建物の状態や使用条件を総合的に判断し、長期的な視点でどちらの工法が最適かを判断することです。
シート防水の改修工法選定にお悩みなら、ぜひ大進双建にご相談ください。
目視以外に打診検査や水濡れ試験など、状況に応じて適切に診断いたします。
防水工事のことなら「大進双建」にお任せください!
シート防水のかぶせ工法は、現場の状況に応じてさまざまな判断が必要です。
『大進双建』では、上から新たな防水層を施工するからこそ、既存防水層の状態をしっかりと確認いたします。
お見積りは無料で行っておりますので、ぜひ『大進双建』にお気軽にご相談ください。
お客様の大切な資産である建物を、長期間にわたって守るお手伝いをさせていただきます。
監修者情報

- 株式会社大進双建 代表取締役
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17歳から防水工事・外壁修繕の現場で実務を開始し、大手下請け会社や官公庁工事に携わる。
8年の実務経験を経て独立後、年間30件以上の大規模修繕工事を手掛ける。
住宅、アパート、倉庫などの防水・塗装工事においても豊富な施工実績を持つ。
一級建築施工管理技士
一級ウレタン塗膜防水施工技能士
一級シーリング防水施工技能士
一級塩化ビニルシート防水施工技能士
一級アスファルトトーチ防水施工技能士
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