押さえコンクリートとは|屋上防水を守る役割と劣化症状・改修方法を解説

押さえコンクリートとは、屋上やバルコニーの防水層を保護するために施工されるコンクリート仕上げです。
表面にひび割れや浮き、水たまりなどが発生すると、「雨漏りにつながるのでは」と不安を感じる方も多く見られます。
実際に、押さえコンクリートの劣化を放置すると、内部の防水層まで傷みが進行し、雨漏りや躯体劣化につながるケースがあります。
一方で、防水層は押さえコンクリートの下にあるため、表面だけでは内部の状態を判断しにくい点に注意が必要です。
今回は、神奈川の防水プロフェッショナルである『大進双建』が、押さえコンクリートの役割や防水層との違い、代表的な劣化症状、かぶせ工法・撤去工法による改修方法までを解説します。
屋上やバルコニーの状態が気になる方は大進双建へご相談ください
大進双建では、マンション・ビルの防水改修工事を多数行っており、現地調査をもとに建物の状態に合った改修方法をご提案しています。
| このコラムのポイント |
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Contents
押さえコンクリートとは

見た目がコンクリートで仕上がっているため、「押さえコンクリート自体に防水性能がある」と誤解されるケースも少なくありません。
実際には、内部の防水層を保護するために施工される仕上げ材であり、防水性能を担っているのはその下の防水層です。
はじめに、押さえコンクリートの役割や構造について確認していきましょう。
防水層を保護するためのコンクリート
押さえコンクリートは、防水層そのものではありません。
防水層の上に施工され、紫外線や歩行、重量物による衝撃などから防水層を保護するコンクリートです。
防水層は紫外線や熱の影響を受け続けると劣化しやすくなるため、押さえコンクリートによって表面を保護することで、防水層の耐久性を高めています。
押さえコンクリートは「保護コンクリート」や「シンダーコンクリート」と呼ばれることもあります。
押さえコンクリートが使われる場所
押さえコンクリートが採用されている場所は、以下のとおりです。
- 屋上
- バルコニー
- 共用廊下
- ルーフバルコニー
人の出入りが多い場所や、定期的な歩行が発生する場所で採用されやすい傾向です。
とくにマンションやビルの屋上では、室外機や配管設備などが設置されるケースも多く、防水層を長期間維持する目的で押さえコンクリートが採用されています。
押さえコンクリートと防水層の違い
押さえコンクリートと防水層は、それぞれ役割が異なる存在です。
一般的な屋上では、以下のような構造になっています。
- 表面:押さえコンクリート
- その下:防水層
- さらに下:コンクリート躯体
実際に雨水の浸入を防いでいるのは、表面のコンクリートではなく内部の防水層です。
そのため、押さえコンクリートにひび割れや浮きが発生すると、隙間から水分が浸入し、防水層の劣化につながるケースがあります。
押さえコンクリートに見られる4つの劣化症状

押さえコンクリートは、紫外線や雨風、温度変化などの影響を日常的に受け続けています。
そのため、経年によってさまざまな劣化症状が発生します。
初期段階では大きな問題がないように見えても、放置によって防水層や躯体へ影響が広がるケースも少なくありません。
ここでは、押さえコンクリートでよく見られる代表的な劣化症状を解説します。
ひび割れ(クラック)
押さえコンクリートでは、ひび割れ(クラック)が代表的な劣化症状のひとつです。
主な原因として、温度変化による膨張・収縮、乾燥収縮、地震による建物の揺れなどが挙げられます。
とくに屋上は、日中の高温と夜間の冷え込みを繰り返し受けるため、コンクリートに負荷がかかりやすい環境です。
小さなひび割れでも、隙間から水分が浸入すると、防水層の劣化を早める原因になります。
また、ひび割れを放置することで、浮きや剥離など別の劣化につながるケースもあります。
コンクリートの浮き・剥離
押さえコンクリートが下地から浮いたり、一部が剥がれたりする症状も見られます。
原因として多いのは、ひび割れから浸入した水分や、寒冷地で起こりやすい「水分の凍結と溶解の繰り返し」です。
内部に浸入した水分が膨張・収縮を繰り返すことで、コンクリートと下地の密着力が低下し、浮きや剥離につながる仕組みです。
浮きが進行すると、歩行時に空洞音が発生したり、コンクリート片が落下したりすることがあります。
伸縮目地の劣化(浮き上がり・剥がれ・雑草)
押さえコンクリートには、温度変化による膨張・収縮の動きを逃がすために「伸縮目地」が設けられています。
この目地材は経年によって劣化し、浮き上がりや剥がれが発生しやすい部位です。
また、隙間に土や水分が溜まることで、雑草が生えるケースも少なくありません。
目地部分の劣化を放置すると、隙間から水分が浸入し、防水層への負荷が大きくなります。
水たまり・排水不良
雨が止んだあとも長時間水たまりが残る場合は、排水不良が発生している可能性があります。
勾配不良やドレン周辺の不具合、伸縮目地周辺のへこみなどが主な原因です。
とくにドレン周辺にゴミや土砂が溜まると、排水が妨げられ、水分が滞留しやすい状態が続きます。
水たまりの状態が続くと、ひび割れや目地から水分が浸入しやすくなり、内部の防水層へ水分が伝わって劣化を早める原因になります。
ドレンの詰まりの原因や改修、交換時期などはこちらの記事でも解説しています。
〈関連ページ〉屋上ドレンの詰まり放置は雨漏りの原因になる|ドレンの役割や種類も解説
押さえコンクリートの劣化を放置するリスク

押さえコンクリートの劣化は、見た目の問題だけではありません。
ひび割れや浮きなどを放置すると、内部の防水層や建物本体にまで影響が広がる可能性があります。
とくに屋上やバルコニーは、日常的に雨風や紫外線の影響を受け続けるため、劣化が進行しやすい環境です。
ここでは、押さえコンクリートの劣化を放置する主なリスクを解説します。
防水層の劣化が進み雨漏りにつながる
押さえコンクリートにひび割れや浮きが発生すると、隙間から水分が浸入しやすい状態です。
浸入した水分が内部の防水層へ影響を与えることで、防水性能の低下につながるケースがあります。
初期段階では目立った症状が出ないこともありますが、防水層の劣化が進行すると、雨漏りが発生する可能性もあります。
また、一度雨漏りが発生すると、下地補修や内装補修まで必要になるケースもあり、改修範囲が大きくなる傾向です。
鉄筋の腐食・コンクリート爆裂で躯体に影響
押さえコンクリートから浸入した水分が、内部の防水層を破って下層のコンクリート躯体に達すると、躯体内部の鉄筋が腐食する可能性があります。
鉄筋は錆びると膨張する性質があるため、内部からコンクリートを押し出し、「爆裂」と呼ばれる症状を引き起こすケースもあります。
爆裂は、コンクリート片の落下リスクが高まるだけでなく、建物本体の耐久性にも影響を及ぼす劣化症状のひとつです。
とくにマンションやビルでは、安全性の観点から早めの対応が重要です。
鉄筋コンクリートの爆裂については、以下の記事でも詳しく解説しています。
〈関連ページ〉鉄筋コンクリ―トの爆裂が起きる原因と放置するリスク、対策をわかりやすく解説
劣化の発見が遅れる
押さえコンクリートの下には、防水層が施工されています。
表面の小さなひび割れや目地の隙間から雨水が少しずつ浸入すると、内部の防水層に水分が接触し続け、目に見えない場所で劣化が進行するケースがあります。
押さえコンクリートによって防水層が見えないため、劣化に気づきにくい点にも注意が必要です。
防水層の傷みが進行してから雨漏りや浮きなどの症状として表面化するケースも少なくありません。
被害が大きくなる前に対応するためには、定期的な点検や専門業者による調査が重要です。
押さえコンクリートのひび割れ・浮きにお悩みの方は、大進双建にご相談ください。
劣化状況を踏まえた最適な改修方法をご提案しています。
押さえコンクリートの改修工法は主に2種類

押さえコンクリートの劣化が進行した場合は、防水層の状態や建物の使用状況に応じて改修工事を行います。
主な改修工法は、「かぶせ工法」と「撤去工法」の2種類です。
それぞれ施工方法やメリット・デメリットが異なるため、建物の状態に合った工法を選ぶことが重要です。
かぶせ工法|既存を活かして新たな防水層を施工
かぶせ工法とは、既存の押さえコンクリートと防水層を活かしながら、その上から新たな防水層を施工する工法です。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ・工期を短縮しやすい ・費用を抑えやすい ・廃材が少ない |
・下地状態によって施工できない ・含水率の影響を受ける |
既存部分を全面撤去しないため、撤去費用や産業廃棄物処理費を抑えやすく、廃材発生量も少なく済む点が特徴です。
一方で、下地内部に水分を多く含んでいる場合は、施工後に膨れや剥離が発生する可能性があります。
そのため、施工前には含水率や下地状態の確認が重要です。
シート防水の改修におけるかぶせ工法については、以下の記事でも詳しく解説しています。
〈関連ページ〉シート防水の改修にかぶせ工法はできる?適している条件やメリット・デメリットも解説
撤去工法|押さえコンクリートを撤去し新規防水層を施工
撤去工法とは、既存の押さえコンクリートや防水層を撤去したうえで、新たな防水層を施工する工法です。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ・下地から改修できる ・内部劣化を確認しやすい ・根本的な改修が可能 |
・工期が長くなりやすい ・費用が高くなりやすい ・騒音や振動が発生しやすい |
既存下地を直接確認できるため、内部の劣化や不具合を把握しやすい点が特徴です。
一方で、撤去作業が発生するため、工期や費用は大きくなりやすい傾向があります。
とくにマンションやビルでは、居住者や利用者への配慮も含めて工法を検討する必要があります。
押さえコンクリートの改修で注意したいポイント

押さえコンクリートの改修では、表面の状態だけで工法を判断しないことが重要です。
同じようなひび割れや浮きに見えても、防水層の種類や内部の劣化状況によって、適した改修方法は異なります。
また、建物の状態を十分に確認せずに施工すると、改修後の膨れや剥離につながる恐れもあるため注意が必要です。
ここでは、押さえコンクリートを改修する際に注意したいポイントを解説します。
既存防水層や下地状態によって適した工法は異なる
押さえコンクリートは、一般的にアスファルト防水で採用される防水工法です。
新築時に「アスファルト防水+押さえコンクリート」の組み合わせで施工されているケースが大半です。
一方で、改修時には既存の押さえコンクリートの上に、以下のような防水工法を施工するケースがあります。
- ウレタン防水(通気緩衝工法):下地に水分が残りやすい場合に適している
- 塩ビシート防水(機械的固定工法):広い屋上で工期短縮を優先する場合に適している
- アスファルト防水(改修用):耐久性を重視し、長期間メンテナンスを抑えたい場合に適している
実際どの工法を採用するかは、既存防水層の状態や下地の含水率・劣化状況などによって判断されます。
そのため、押さえコンクリートの改修では、既存防水層や下地状態を確認したうえで工法を選定することが重要です。
建物調査を行ったうえで工法を選ぶ
押さえコンクリートの改修では、施工前の建物調査が重要です。
表面だけでは確認できない内部劣化を把握するため、以下のような調査を行います。
- 打診調査(浮き・剥離の確認)
- 含水確認(下地の水分量チェック)
- 下地確認(強度・勾配の評価)
これらの調査によって、現在の劣化状況や適した改修工法を判断します。
また、マンションやビルでは、建物の使用状況や周辺環境への配慮も必要です。
押さえコンクリートの改修では、建物調査から工法選定まで対応できる、経験豊富な専門業者へ依頼しましょう。
防水工事のことなら「大進双建」にお任せください!

押さえコンクリートは、防水層を保護する重要なコンクリートです。
ひび割れや浮きなどの劣化を放置すると、防水層の傷みや雨漏りにつながる可能性があります。
また、防水層は押さえコンクリートの下にあるため、表面だけでは内部劣化を判断しにくい点にも注意が必要です。
押さえコンクリートの改修工事は大進双建にお任せください。
大進双建では、丁寧に建物調査を行ったうえで、建物に合った改修方法をご提案しています。
監修者情報

- 株式会社大進双建 代表取締役
-
17歳から防水工事・外壁修繕の現場で実務を開始し、大手下請け会社や官公庁工事に携わる。
8年の実務経験を経て独立後、年間30件以上の大規模修繕工事を手掛ける。
住宅、アパート、倉庫などの防水・塗装工事においても豊富な施工実績を持つ。
一級建築施工管理技士
一級ウレタン塗膜防水施工技能士
一級シーリング防水施工技能士
一級塩化ビニルシート防水施工技能士
一級アスファルトトーチ防水施工技能士
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