シーリング工事と防水工事の違いとは|工事内容やメリット・デメリットを解説
建物の外壁や屋上などに発生する劣化や雨漏りに対応するため、「シーリング工事」や「防水工事」といったメンテナンス工事を検討される方もいらっしゃいます。
しかし、それぞれの工事の違いや適した施工箇所、費用感が分からず、判断に迷うケースも少なくありません。
この記事では、神奈川の防水工事のプロフェッショナル「大進双建」が、「シーリング工事」と「防水工事」の違いに加え、それぞれの特徴・メリット・デメリットもわかりやすく解説します。
このコラムのポイント |
---|
|
Contents
シーリング工事と防水工事の違いを比較
シーリング工事と防水工事は、どちらも建物の防水性能を維持する上で欠かせないものですが、施工箇所・目的・材料・工期・コストなどに明確な違いがあります。
以下は、主な違いを一覧で比較した表です。
項目 | シーリング工事 | 防水工事 |
---|---|---|
主な役割 | 目地やすき間を埋めて雨水・外気の侵入を防ぐ | 屋上やバルコニーなど広い面を防水層で覆い、雨水の侵入を防ぐ |
施工箇所 | ・外壁の目地 ・窓枠 ・サッシまわり など |
・屋上 ・バルコニー ・外壁など広範囲 |
施工方法 | シーリング材を充填・打ち替え | ・防水材の塗布 ・シートの貼付 ・複層構造 |
主な材料 | ・変成シリコン系 ・ウレタン系 など |
・ウレタン ・塩ビシート ・FRP など |
耐用年数(目安) | 約7〜10年 | 約10〜15年(工法による) |
施工費用(目安) | 400~1,000円/m | 1,000円~3,000円/㎡ |
工期の目安 | 1〜3日程度(部分施工) | 数日〜1週間以上(面積・工法による) |
工事タイミング | 外壁塗装や目地劣化時や大規模修繕時にあわせて | 屋上の劣化や大規模修繕にあわせて実施が一般的 |
次の章では、それぞれの工事について詳しく解説します。
シーリング工事とは|目地やすき間を埋めて防水性を保つ工事
シーリング工事とは、建物の外壁や窓枠などの「継ぎ目」や「すき間」に、ゴムのような弾力性のある材料(シーリング材)を埋めて、雨水や風の侵入を防ぐための工事です。
シーリング工事を行うことによって、建物の防水性や気密性が高まり、劣化やひび割れを防ぐことができます。
シーリング工事の役割
シーリング工事の主な役割は、以下の3つです。
- 防水性の確保:雨水が建物の内部に入るのを防ぎます。
- 気密性の向上:すき間風やホコリの侵入を防ぎます。
- 耐震性の補助:シーリング材の伸縮性で、地震などの揺れによるひび割れを抑えます。
適切に施工されたシーリング材は、雨水の浸入や空気の出入りを防ぐことで、建物内部の劣化や快適性の低下を抑制する役割も果たします。
水まわりや外壁のすき間からの漏水は、カビや腐食の原因となるため、シーリングの劣化放置は避けましょう。
シーリング工事の施工箇所
シーリング工事は、住宅からビルやマンションの、外部と内部の取り合い部分や構造材の継ぎ目など、さまざまな部位で施工されます。
特に以下の箇所は、雨風や温度変化の影響を受けやすく、シーリングによる防水処理が欠かせません。
- 外壁のパネル同士の継ぎ目
- 窓枠やドア枠まわり
- 屋根やベランダの継ぎ目
これらの部分は、構造的に動きが生じやすく、さらに雨水が集中しやすい部位です。
そのため、耐候性・伸縮性に優れたシーリング材を用いた確実な施工と定期的な点検が重要です。
シーリング工事で使われる材料と耐用年数
シーリング工事に使用される材料にはいくつかの種類がありますが、主に以下のようなものが使われます。
材料の種類 | 特徴 |
---|---|
シリコン系 | 熱や雨に強く、ガラスなどに接着しやすいが、上からの塗装不可 |
変成シリコン系 | 熱や雨などに強く、耐久年数が長め |
ウレタン系 | 耐久性が高いが紫外線に弱い |
アクリル系 | 湿った面でも使えるが耐久性は低い |
それぞれのシーリング材には、施工箇所や目的に応じた適材適所の選定が重要です。
耐用年数の目安は7年〜10年程度とされていますが、直射日光や風雨の影響を受けやすい箇所では、劣化が早まることがあります。
素材ごとの性能差を理解し、環境や使用条件に合わせた材料選定を行うことが、施工後の耐久性と機能性の維持につながります。
シーリング工事の詳しい種類や費用などは、こちらの記事で確認できます。
>関連リンク:シーリング防水工事の種類や費用相場を解説|メンテナンス時期のサインや見極め方も
神奈川県でシーリング工事を検討中の方は「大進双建」にご相談ください。
多くのシーリング工事で培ったノウハウを活かし、お客様の建物に合わせたプランをご提案する防水専門店です。
防水工事とは|屋上・バルコニーに施工される防水層の形成工事
防水工事とは、建物の屋上やバルコニー、外壁など雨や雪が直接当たる部分に防水層を作り、雨水や湿気が建物内部に侵入するのを防ぐ工事です。
防水工事の目的
防水工事の目的は、大きく分けて「建物の劣化防止」と「快適な居住環境の維持」の2つです。
雨水の侵入を防ぐことで、柱や梁など構造部分の腐食や鉄部の錆を防ぎ、建物全体の劣化を抑えることができます。
また、防水性能を維持することは、室内への漏水やカビの発生を防ぎ、快適で衛生的な環境を保つうえでも重要です。
ビルやマンションのような大型建築物では、10〜15年ごとの大規模修繕に合わせて防水工事を実施するのが一般的です。
定期的な点検と適切な防水処置を行うことで、建物の寿命を延ばし、資産価値を維持することにつながります。
防水工事の施工箇所
防水工事は、建物の雨水が溜まりやすい水平・傾斜面や外部に露出した構造部に対して行われます。
特に以下の箇所は、防水性能の維持が重要です。
- 屋上
- バルコニー
- ベランダ
- 庇(ひさし) など
防水工事の工法と特徴
防水工事には、建物の構造や使用環境に応じてさまざまな工法があります。
代表的な防水工事の種類は以下のとおりです。
工法名 | 特徴・用途 |
---|---|
ウレタン防水 | 液状のウレタン樹脂を塗布して防水層を形成する工法。 複雑な形状にも対応しやすい。 |
アスファルトシート防水 | アスファルトシートを貼る工法。 耐久性が高く、ビルの屋上などで多く利用される。 |
FRP防水 | ガラス繊維で強化された樹脂を用いた防水工法。軽くて強度が高い。 ベランダやバルコニーなどの小面積施工に適している |
塩ビシート防水 | 塩化ビニールシートを下地に貼りつけていく防水工法。 耐久性と耐摩耗性があるが衝撃に弱い。 |
工法選定の際は、施工箇所の形状や使用状況、メンテナンス計画に合わせて適切な方法を選ぶことが重要です。
防水工事の詳しい工法や費用については、こちらの記事で確認できます。
>関連リンク:防水トップコートの種類や単価|塗り替え時期の目安も解説
神奈川県で防水工事を検討中の方は「大進双建」にご相談ください。
多くの防水工事で培ったノウハウを活かし、建物の状態に合わせたメンテナンス方法をご提案しています。
シーリング工事と防水工事のメリット・デメリット
シーリング工事と防水工事は、どちらも建物を雨水から守る重要なメンテナンスですが、それぞれに特徴があり、得意とする範囲や適した場面があります。
それぞれのメリット・デメリットを以下のようにまとめました。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
シーリング工事 | ・複雑な形状や細かいすき間にも対応できる ・施工が比較的簡単 ・コストが抑えやすい |
・狭い範囲にしか施工できない ・材料の劣化が早い場合がある |
防水工事 | ・広範囲を一度に防水できる ・耐久性が高い ・建物全体の防水性を高められる |
・複雑な形状や細かい部分には不向き ・工事費用が高くなりやすい |
シーリング工事と防水工事は、それぞれ補完し合うこともできます。
劣化状況や建物の構造に応じて適切に組み合わせることで、無駄のない効率的な維持管理が可能です。
シーリング工事と防水工事の施工事例紹介
それぞれ、実際の施工事例を紹介します。
シーリング工事の施工事例
こちらの施工事例は、30世帯マンションの外壁シーリング打ち替え工事です。
大規模修繕工事の一環として計画的に行われたもので、建物全体の防水性能と美観の維持を目的としています。
既存のシーリング材を丁寧に撤去したうえで、各部の目地に新たなシーリングを打ち替え施工しました。
防水工事の施工事例
こちらは、ビル屋上(約260㎡)におけるウレタン塗膜防水工事を実施しました。
施工前の屋上は、防水層の表面に広範囲な摩耗・汚れ・退色が見られる状態で、防水機能の低下が懸念されていました。
今回は、既存防水層の状況を踏まえ、密着工法によるウレタン塗膜防水を採用しました。
光沢のある防水層が屋上全面に施され、防水性・美観ともに大幅に改善されています。
神奈川県で防水工事を検討中の方は「大進双建」にご相談ください。
多くの防水工事で培ったノウハウを活かし、建物の状態に合わせたメンテナンス方法をご提案しています。
シーリング工事と防水工事の違いについてよくある質問
ここでは、シーリング工事と防水工事をご検討中の方から大進双建がよくいただくご質問に回答します。
どちらの工事を優先すべきですか?
劣化している部位や症状によって異なるため一概にどちらが優先とはいえません。
屋上やバルコニーからの浸水であれば防水工事、外壁のひび割れやサッシまわりの劣化が見られる場合はシーリング工事が必要になるケースが多くあります。
ただし、実際には両方の工事が必要になることも少なくないため、現地調査による的確な診断が重要です。
工事のタイミングはどう判断すればいいですか?
外壁のひび割れやシーリングの痩せ、屋上の水たまりや膨れなどが見られる場合は、早めの対応が望ましいです。
また、築10〜15年がメンテナンスの目安とされており、特にマンションやビルでは大規模修繕の周期にあわせて点検・工事を検討することが一般的です。
施工中、建物の使用や生活に支障は出ますか?
シーリング工事・防水工事ともに、施工範囲によっては一時的に立ち入り制限や騒音が発生する場合がありますが、基本的には通常通りの生活や業務が可能です。
マンションやオフィスビルなどでは、居住者・利用者への影響を最小限に抑えるよう、事前に工事計画や注意事項をご案内しながら施工を進めます。
心配な点がある場合は、施工業者との事前打ち合わせ時に相談しましょう。
防水工事のことなら「大進双建」にお任せください!
シーリング工事と防水工事は、どちらも建物を水から守るために欠かせない工事ですが、それぞれ役割や施工箇所、効果に違いがあります。
どちらか一方だけで対応できるケースもあれば、組み合わせて行うことで、より高い防水効果を発揮することもあります。
まずは専門業者による現地調査と診断を受け、適切なメンテナンス計画を立てましょう。
大進双建では、シーリング工事・防水工事の両方に対応し、ビルやマンションなどの大規模修繕にも豊富な実績があります。
建物の長寿命化や資産価値の維持をお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
監修者情報

- 株式会社大進双建 代表取締役
-
17歳から防水工事・外壁修繕の現場で実務を開始し、大手下請け会社や官公庁工事に携わる。
8年の実務経験を経て独立後、年間30件以上の大規模修繕工事を手掛ける。
住宅、アパート、倉庫などの防水・塗装工事においても豊富な施工実績を持つ。
一級建築施工管理技士
一級ウレタン塗膜防水施工技能士
一級シーリング防水施工技能士
一級塩化ビニルシート防水施工技能士
一級アスファルトトーチ防水施工技能士
最新の投稿
- 2025.07.20防水工事ベランダ・バルコニーの防水工事とは|主な工法と手順・費用の目安まで詳しく解説
- 2025.07.10防水工事シーリング工事と防水工事の違いとは|工事内容やメリット・デメリットを解説
- 2025.06.20防水工事防水トップコートの種類や単価|塗り替え時期の目安も解説
- 2025.06.10シーリング工事シーリング防水工事の種類や費用相場を解説|メンテナンス時期のサインや見極め方も