シート防水の上にウレタン防水は可能か|施工できる条件や失敗しないための注意点などを解説

シート防水の上にウレタン防水は可能か|施工できる条件や失敗しないための注意点などを解説

シート防水の上にウレタン防水を重ねる施工方法は、条件を満たせば施工可能です。

この工法は、既存の防水層を撤去せず上から新たな防水層を形成する「重ね施工」と呼ばれる方法です。

ただし、既存シートの浮き・破れ・含水(防水層や下地に水分が染み込んだ状態)の有無によっては、重ね施工が適さない場合もあります。

判断を誤ると、膨れや早期劣化を招くことがあるため、事前の確認が欠かせません。

この記事では、神奈川の防水プロフェッショナルである『大進双建』が、施工できる条件とできないケースの違い、適した工法の選び方、費用や注意点を解説します。

 

神奈川で防水工事をご検討の方は、大進双建へご相談ください。

建物の状態を丁寧に調査したうえで、最適な工法と施工プランをご提案いたします。

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このコラムのポイント
  • シート防水の上にウレタン防水は条件を満たせば施工可能であり、可否の判断基準を具体的に解説します。
  • 重ね施工ができるケース・できないケースを明確に整理し、失敗を防ぐポイントを紹介します。
  • 工法の選び方や費用相場、業者選びまで解説します。

 

シート防水の上にウレタン防水は施工できる

施工事例|アフター|屋上シート防水工事

シート防水の上にウレタン防水は、建物の状態によって施工できるケースとできないケースがあります。

まず、判断基準を確認しておきましょう。

基本的には「条件付きで施工可能」

シート防水の上にウレタン防水は、既存の防水層が下地として機能する状態であれば施工可能です。

既存の防水層を撤去せず、その上から塗膜を形成できるため、コストや工期を抑えられる改修方法として採用されています。

施工できる目安は、防水層がしっかり密着しており、大きな劣化や不具合がない状態です。

施工できないケースもあるため注意が必要

シート防水の上にウレタン防水は、すべての建物で適用できる方法ではありません。

既存防水層に問題がある場合は、重ね施工によって不具合が発生するリスクが高まります。

たとえば、シートの浮きや膨れ、破れがある状態では内部に空気や水分が残りやすく、施工後の膨れや剥がれを引き起こす原因になります。

下地への水分の残留も、密着不良につながる見落とせないポイントです。

既存防水層の状態は施工の可否を左右するため、事前に現地調査で確認することが大切です。

条件に合わない場合は、撤去を含めた別の工法も視野に入れて検討しましょう。

 

シート防水の種類と特徴については、こちらの記事で詳しく解説しています。

〈関連ページ〉シート防水の種類と特徴|メリット・デメリットから工法、メンテナンス方法まで解説

シート防水の上にウレタン防水ができる条件

施工事例|施工中|屋上通気緩衝工法ウレタン塗膜防水|神奈川県藤沢市 

シート防水の上にウレタン防水を重ねるには、既存の状態が「下地として使えるかどうか」が重要です。

ここでは、施工できるか判断するためのポイントを分かりやすく整理します。

既存シートに大きな劣化がない

既存シートの状態は、施工可否を左右する重要なポイントです。

大きな破れや膨れがない状態であれば、上からウレタン防水を施工できる可能性が高くなります。

一方で、シートが浮いていたり破損していたりすると、その上に施工しても不具合が再発しやすくなります。

見た目に明らかな傷みがある場合は、重ね施工ではなく撤去を検討しましょう。

下地の水分量が過剰でない

シート防水の上にウレタン防水を施工するには、防水層の内部や下地に水分が残っていないことが前提となります。

含水がある状態で施工すると、後から膨れや剥がれを引き起こします。

既存シートがしっかり密着しているかも忘れずに確認しましょう。

部分的に浮いている箇所があると、その部分から不具合が広がる可能性があります。

また、ウレタン防水は下地との密着性によって性能が大きく左右されるため、施工前の下地処理が欠かせません。

施工前には汚れや劣化した塗膜を取り除ける状態かどうかも、あわせて確認しておきましょう。

シートの種類に合う材料を選定できる

シート防水には塩ビシートやゴムシートなど複数の種類があります。

それぞれ性質が異なるため、相性に合った下塗り材(プライマー)や防水材を選ぶことが重要です。

材料の選定を誤ると、密着不良や早期劣化の原因になります。

見た目では判断しにくいため、施工経験のある業者による確認が必要です。

端部・立ち上がり・シール部分の劣化が軽微

屋上やバルコニーでは、平らな部分だけでなく、立ち上がり部分や端部、継ぎ目(シール部分)に劣化がないことも重要なポイントです。

これらの部分に大きな劣化がある場合は、重ね施工では十分に対応できないことがあります。

細かい部分まで劣化が進んでいないかを確認し、必要に応じて補修を済ませておきましょう。

排水に問題がない

排水口の詰まりや勾配不足がある場合、水が溜まりやすくなり防水層への負担が増大します。

既存防水の上に新たな層を重ねることでわずかに厚みが増すため、もともと勾配が不足している場合は水たまりが解消されません。

上から施工できるかどうかだけでなく、排水口まわりの状態・水の流れ・勾配についても、事前にしっかり確認しておくことが大切です。

 

屋上の排水口の詰まりを放置すると雨漏りする原因については、以下の記事も参考にしてください。

〈関連ページ〉屋上ドレンの詰まり放置は雨漏りの原因になる|ドレンの役割や種類も解説

施工できないケースとその理由

屋上防水工事雨漏り

シート防水の上にウレタン防水は有効な改修方法ですが、すべての建物で適用できるわけではありません。

代表的な判断ポイントは以下のとおりです。

  • シートの膨れ・破れ・浮きがある場合
  • 下地に水分が含まれている場合
  • 既存防水層の密着が不十分な場合

それぞれ詳しく見ていきます。

シートの膨れ・破れ・浮きがある場合

既存シートに膨れや破れ、浮きがある場合は、上からウレタン防水を施工しても不具合が再発しやすくなります。

内部に空気や水分が残ったままになるため、施工後に膨れが発生したり、防水層が剥がれたりする原因になります。

表面だけを補修しても根本的な解決にはなりません。

既存防水層の撤去や部分的な補修を含めた対応を、専門業者に相談のうえ検討しましょう。

下地に水分が含まれている場合

防水層の内部や下地に水分が含まれている状態で施工すると、塗膜の下に水分が閉じ込められます。

その結果、施工後に膨れや剥がれが発生しやすくなります。

なかでも、雨漏りが発生している場合や、水たまりができやすい環境では注意が必要です。

施工前に乾燥状態を確認し、必要に応じて乾燥期間を設けることが大切です。

既存防水層の密着が不十分な場合

膨れや浮きが目視で確認できなくても、既存シートが下地に十分密着していないケースがあります。

こうした密着不良は見た目では判断しにくく、専門的な調査で初めて発覚することも少なくありません。

密着不良の状態で施工すると、荷重や温度変化の影響で防水層が動きやすくなり、ひび割れや剥がれの原因になります。

そのため、現地調査で密着状態を確認したうえで、工法を判断することが大切です。

 

神奈川で防水工事をご検討中の方は、大進双建へご相談ください。

現地調査では、現状を丁寧に確認し、重ね施工の可否を明確に判断したうえで、最適な工法と無駄のない施工プランをご提案いたします。

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シート防水の上にウレタン防水を施工するメリット・デメリット

施工事例|施工中|屋上シート防水工事

シート防水の上にウレタン防水を施工する方法は、コストと工期を抑えやすい一方で、不具合のリスクもあります。

短期的な費用だけでなく、長期的な維持コストまで含めて判断することが重要です。

メリット|撤去不要でコストと工期を抑えられる

シート防水の上にウレタン防水をする際の主なメリットは以下のとおりです。

  • 既存防水層の撤去費用がかからない
  • 廃材処分費を削減できる
  • 工期が短く、建物への影響を抑えやすい
  • 施工中の騒音や粉じんが少ない

また、初期費用を抑えられることから、修繕計画の予算内に収めやすい点も魅力のひとつです。

デメリット|膨れや密着不良のリスクがある

一方で、重ね施工にはリスクもあります。

主なデメリットは以下のとおりです。

  • 下地に水分があると膨れが発生しやすい
  • 既存シートの浮きや劣化が不具合の原因になる
  • 密着不良による剥がれのリスクがある
  • 根本的な劣化が残る場合がある

さらに、初期費用を抑えられても、不具合が発生すれば再施工が必要になり、結果としてコストが増えることもあります。

目先の費用だけで判断するのではなく、耐用年数や再修繕の可能性も含めて、長期的なコストで検討することが重要です。

ウレタン防水の適した工法の選び方

施工事例|施工前|屋上ウレタン塗膜防水工事

ウレタン防水には、下地に直接接着させる密着工法と、通気緩衝シートを介して施工する通気緩衝工法(絶縁工法)があります。

工法の選び方は、既存防水層と下地の状態で決まるのが一般的です。

密着工法が適しているケース

ウレタン防水の密着工法とは、下地に直接ウレタン防水材を塗布して防水層を形成する工法です。

下地の状態が良好で、水分や浮きがない場合は密着工法が適しています。

具体的な判断目安は以下のとおりです。

  • 既存シートに浮きや膨れがない
  • 下地の含水率(下地に含まれる水分の割合)が低く、乾燥状態が確認できる
  • 雨漏りの履歴がない

通気緩衝工法が向いているケース

通気緩衝工法は下地と防水層の間に通気層を設け、脱気筒(水蒸気を外部に逃がすための筒状部材)で水分を逃がす仕組みです。

防水層の下に通気層を設けることで、水分や空気を逃がし、膨れの発生を抑えます。

通気緩衝工法を選ぶ判断の目安は以下のとおりです。

  • 築年数が経過していて下地の含水が疑われる場合
  • 既存シートに浮きや劣化が見られる
  • 過去に雨漏りが発生している
  • 屋上の使用頻度が高く温度変化が激しい環境にある場合

工法の選定は見た目だけでは判断できません。

内部の含水状況や密着状態は、専門的な調査を行わないと正確に把握できないためです。

自己判断で工法を決めず、現地調査の結果をもとに最適な方法を選ぶことが大切です。

 

神奈川で防水工事をご検討中の方は、大進双建へご相談ください。

現地調査をもとに建物の状態を正確に確認し、密着工法・通気緩衝工法のどちらが適しているかを含めて、最適な施工プランをご提案いたします。

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シート防水の上にウレタン防水施工の流れと費用相場の目安

施工事例|施工中|屋上ウレタン塗膜防水工事 大規模修繕工事

シート防水の上にウレタン防水を施工する場合、工程と費用の全体像を把握しておくことが重要です。

ここでは、施工の流れと費用相場について解説します。

シート防水の上にウレタン防水を施工する際の流れ

一般的な施工の流れは以下のとおりです。

一般的な施工の流れ
1. 現地調査:既存防水の状態(浮き・含水・劣化)を確認する

2. 高圧洗浄:汚れや劣化物を除去し、下地を整える

3. 通気シート敷設:下地の水蒸気を逃がすためのシートを全面に敷く
(通気緩衝工法の場合)

4. ウレタン防水1層目:下塗りとして均一に塗布する

5. ウレタン防水2層目:規定の厚みになるよう重ね塗りする

6. トップコート仕上げ:紫外線や摩耗から防水層を保護する

※建物の状態によっては、工程が追加・変更される場合があります。

シート防水の上にウレタン防水の施工の費用目安

シート防水の上にウレタン防水を施工する際の費用相場は以下のとおりです。

工法 単価の目安
ウレタン防水(密着工法) 4,000〜6,000円/㎡
ウレタン防水(通気緩衝工法) 5,000〜7,000円/㎡

※上記は目安であり、面積や立地条件、建物の状態によって変動します。

現地調査の結果によっては、基本工事以外に追加費用が発生することがあります。

主なケースは以下のとおりです。

  • 既存シートの劣化が激しく、撤去が必要になった場合
  • 下地の傷みが大きく、大規模な補修が必要な場合
  • 排水口(ドレン)の改修や交換が必要な場合
  • 足場の設置が必要な建物の場合

追加費用の有無は建物ごとに異なります。

見積もりの際は内訳まで確認し、施工内容と費用の関係を把握しておきましょう。

 

ウレタン防水の密着工法の単価相場と総額の目安についてはこちらの記事でも確認できます。

〈関連ページ〉ウレタン防水の密着工法の単価相場|㎡単価と総額目安・見積もりで失敗しないポイントを解説

失敗しないための業者選びのポイント

失敗しないための業者選びのポイント

防水工事の仕上がりは、業者選びで大きく変わります。

建物ごとの状態を正しく判断し、適切な提案ができる業者かどうかを見極めることが大切です。

以下のポイントを確認しましょう。

  • 現地調査をしっかり行う業者を選ぶ
  • 工法の理由を説明できるか確認する
  • 安さだけで判断しない

現地調査では写真や数値データをもとに現状を説明できるか、「なぜその工法なのか」を明確に言語化できるかが、信頼できる業者を見分けるポイントです。

また、極端に安い見積もりには工程の省略や材料のグレードダウンが潜んでいることがあるため、複数社の見積もりを内訳まで比較したうえで判断しましょう。

防水工事のことなら「大進双建」にお任せください!

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シート防水の上にウレタン防水は施工可能ですが、既存防水層や下地の状態によって適否が分かれます。

条件を正しく見極め、適切な工法を選定することが、防水性能の維持と長期的なコスト削減につながります。

まずは現地調査を依頼し、建物の状態をプロの目で確認してもらうところから始めましょう。

監修者情報

高橋 博之
高橋 博之株式会社大進双建 代表取締役
17歳から防水工事・外壁修繕の現場で実務を開始し、大手下請け会社や官公庁工事に携わる。
8年の実務経験を経て独立後、年間30件以上の大規模修繕工事を手掛ける。
住宅、アパート、倉庫などの防水・塗装工事においても豊富な施工実績を持つ。

一級建築施工管理技士
一級ウレタン塗膜防水施工技能士
一級シーリング防水施工技能士
一級塩化ビニルシート防水施工技能士
一級アスファルトトーチ防水施工技能士