塗布防水と塗膜防水の違いとは|用語の意味と代表的な防水工法をわかりやすく解説

塗布防水と塗膜防水の違いとは|用語の意味と代表的な防水工法をわかりやすく解説

「塗布防水」と「塗膜防水」は、防水工事の説明や見積書などでよく見かける言葉ですが、違いが分かりにくいと感じる方も多いと思います。

塗布防水は「防水材料を塗る施工方法」を指す言葉で、塗膜防水は「塗った材料が乾燥して防水の膜をつくる工法」を指す言葉です。

実はこの2つの言葉には明確な使い分けのルールがあるわけではなく、業界内でも同じ意味に近い言葉として使われることがあります。

この記事では、神奈川の防水プロフェッショナルである『大進双建』が、塗布防水と塗膜防水の違いをわかりやすく整理したうえで、代表的な防水工法やマンション、ビルで採用される主な施工箇所について解説します。

 

神奈川のマンションやビルの屋上、バルコニーの防水工事をご検討の方は、大進双建までご相談ください。

建物の状況を確認したうえで、適切な防水工法をご提案いたします。

現地調査・お見積りの依頼はこちら

このコラムのポイント
  • 塗布防水と塗膜防水の言葉の違いや関係性について解説します。
  • 塗膜防水に含まれる代表的な防水工法を紹介します。
  • 屋上・バルコニー・外壁など建物状況に応じた選び方を解説します。

 

塗布防水と塗膜防水の違いとは

事例|アフター|屋上ウレタン塗膜防水工事

塗布防水と塗膜防水は似た言葉ですが、指している内容には少し違いがあります。

はじめに、それぞれの言葉がどのような意味で使われているのかを解説します。

塗布防水とは「材料を塗る施工方法」を指す言葉

布防水とは、液状の防水材をローラーやコテ、刷毛などで塗り広げる施工方法の総称です。

特定の工法の名前ではなく、「防水材を塗る」という作業に着目した広い意味での呼び方です。

そのため、塗る材料や手順が異なるさまざまな工法をまとめて「塗布防水」と呼ぶことができます。

現場や書類によっては「塗り防水」と表記されることもありますが、意味は同じです。

塗膜防水とは「防水層(膜)を形成する防水工法」

塗膜防水とは、液状の防水材を塗り重ねることで、乾燥後に防水のための膜(防水層)を形成する工法を指します。

塗布防水が「塗る工程」に着目した言葉であるのに対し、塗膜防水は「塗った結果として膜ができる」という状態・仕上がりに着目した、より具体的な言葉です。

イメージとしては、以下のような流れです。

防水材を塗る(塗布)

乾燥する

防水膜ができる(塗膜)

 

なお、この2つの言葉は厳密には意味が異なりますが、現場では「塗布防水」と「塗膜防水」をほぼ同じ意味として使うケースもあります。

神奈川でマンションやビルの屋上・バルコニーなどの防水工事をご検討の方は、大進双建までご相談ください。

現地調査を行い、建物の状況に合わせた防水工法をご提案いたします。

現地調査・お見積りの依頼はこちら

塗膜防水に分類される代表的な防水工法

屋上ウレタン塗膜防水工事 東京都三鷹市 Kマンション 大規模修繕工事

塗布防水は材料を塗る施工方法を指す言葉ですが、実際の防水工事では「塗膜防水」として具体的な工法が採用されます。

ここでは、塗膜防水に分類される代表的な防水工法を紹介します。

ウレタン塗膜防水

液状のウレタン樹脂を塗り重ねて防水層を形成する工法で、塗膜防水の中でも広く採用されています。

最大の特徴は、継ぎ目のない均一な防水層をつくれる点です。

また、ウレタン樹脂は柔軟性と伸縮性に優れた素材です。

建物は温度変化や地震などの影響でわずかに動いており、その動きに追従できない防水層はひび割れのリスクが高まります。

ウレタン塗膜防水はこの「追従性」が高いため、ひび割れが起きにくく、長期にわたって防水性能を維持しやすい工法です。

主な施工方法には「密着工法」と「通気緩衝工法」があり、それぞれの特徴は以下のとおりです。

密着工法 通気緩衝工法
メリット ・コストを抑えやすく、工期が短い
・複雑な形状や小面積にも対応しやすい
・幅広い下地に対応できる
・下地の影響を受けにくく、安定した仕上がりになりやすい
・耐用年数が長い
デメリット ・職人の技術力に仕上がりが左右される
・下地の状態によっては施工できない
・水ぶくれのリスクがある
・通気緩衝工法と比べて耐用年数が短め
・密着工法よりもコストがかかる
・設置する脱気筒が障害物になる場合がある

 

ウレタン塗膜防水についてはこちらの動画でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

FRP防水

FRP防水は、ガラス繊維で補強された樹脂を使用して防水層を形成する工法です。

FRPとは、繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics)の略で、軽量ながら高い強度を持つ素材として、防水以外にも船や自動車のボディなど幅広い分野で使われています。

施工では、下地の上にガラス繊維のシートを敷き、樹脂を染み込ませて硬化させます。

硬化後は硬くて丈夫な防水層になるため、人が歩いたり物を置いたりする場所にも適しているのが特徴です。

メリット デメリット
・継ぎ目のない硬質な防水層で、高い防水性と耐久性を発揮する
・素材が軽いため建物への負担が少ない
・硬化が早く、工期が短い
・硬い分だけ柔軟性に欠け、建物の動きに追従しにくいためひび割れが生じやすい
・他の工法と比べてコストが高め

 

FRP防水についての詳しいメリット・デメリットや耐久性については、こちらの記事でも解説しています。

〈関連ページ〉ベランダに適しているFRP防水の4つのメリットと3つのデメリットを解説|費用や耐久性も解説

塗膜防水が採用される主な場所

事例|施工中|バルコニーウレタン塗膜防水 |静岡県伊東市

塗膜防水は、建物の形状や使用状況に合わせて工法を選ぶことが重要です。

ここでは、マンションやビルで塗膜防水が採用されることが多い場所と、それぞれの特徴について解説します。

屋上(陸屋根)の防水

屋上は面積が広く、雨水の影響を直接受けるため、建物の中でもとくに防水性能が求められる場所です。

施工面積が広い分、防水層の厚みや品質を均一に保つことが重要になります。

そのため、下地の湿気の影響を受けにくいウレタン防水の通気緩衝工法が多く採用されています。

通気緩衝工法は、下地に含まれる水分や湿気の影響を受けにくい構造のため、既存防水の改修工事にも対応しやすい工法です。

ただし、建物の形状や状態によってはシート防水など別の工法が適する場合もあります。

どの工法が最適かは、現地の状態を確認したうえで判断することが重要です。

 

シート防水の種類と特徴については、こちらの記事で確認できます。

〈関連ページ〉シート防水の種類と特徴|メリット・デメリットから工法、メンテナンス方法まで解説

バルコニー・ベランダの防水

バルコニーやベランダは居住者が日常的に使用する場所です。

歩行による荷重や物の設置など、防水層にかかる負担が大きいため、防水性能に加えて耐久性も重視して工法を選ぶ必要があります。

塗膜防水では、以下の工法が採用されることが多くあります。

工法 特徴
ウレタン防水(密着工法) 柔軟性があり、複雑な形状にも対応しやすい
FRP防水 硬くて摩耗に強く、人の往来が多い場所でも安定した防水性能を維持しやすい

 

建物の構造や使用状況によって適した工法は異なるため、現地の状態を確認したうえで工法を選定することが重要です。

パラペット・外壁の防水補修

パラペットとは、屋上の外周部分に設けられた低い壁のことです。

パラペットや外壁との境目は、雨水が溜まりやすく、劣化が進みやすい箇所のひとつです。

塗膜防水材を使った補修が有効で、複雑な形状にも対応しやすいウレタン防水が多く採用されています。

防水層が途切れやすい角や立ち上がり部分も、液状の材料を塗ることで隙間なく仕上げることが可能です。

また、これらの場所では、塗膜防水材による補修に加えて、シーリング工事を組み合わせて対応するケースが多く見られます。

シーリングとは、外壁の目地(パネルとパネルの継ぎ目)や窓まわりの隙間を、ゴム状の素材で埋める作業のことです。

塗膜防水だけでは対応しにくい「細かな隙間からの雨水侵入」を防ぐ役割を担っています。

防水層とシーリングはそれぞれ役割が異なりますが、どちらが劣化しても雨漏りのリスクが高まるためです。

そのため、防水工事のタイミングでシーリングの状態も合わせて確認・補修しておくことが、効率的なメンテナンスにつながります。

 

以下の記事では、パラペットのメンテナンスと改修方法について詳しく解説しています。参考にしてください。

〈関連ページ〉パラペット防水とは|雨漏りを防ぐポイントと劣化のサインや改修方法を解説

塗膜防水の費用相場と耐用年数の目安

事例|アフター|屋上防水|通気緩衝工法|静岡県三島市|Sマンション

塗膜防水の費用は、採用する工法や施工面積、既存防水の状態などによって変わります。

ここでは、一般的な塗膜防水工事の㎡単価の目安と、耐用年数の考え方について解説します。

工法別の費用相場(㎡単価の目安)

塗膜防水の代表的な工法であるウレタン防水とFRP防水の費用目安は、以下のとおりです。

防水工法 ㎡単価の目安
ウレタン塗膜防水 4,000円〜/㎡
FRP防水 6,500円〜/㎡

※上記の金額は大進双建の施工費用の目安です。建物の状態や施工条件によって実際の費用は異なります。

防水工事では防水層の施工費だけでなく、次のような費用が別途発生する場合があります。

  • 足場設置費用
  • 高圧洗浄などの下地処理費
  • 既存防水層の撤去費用
  • 防水層の立ち上がり補修やシーリング補修

とくにマンションやビルの屋上防水工事では、建物の状態や施工条件によって費用が大きく変わるため、実際の工事費用は現地調査を行ったうえで見積もりを確認することが重要です。

耐用年数の目安

塗膜防水の耐用年数は、工法や施工環境によって異なりますが、一般的な目安は次のとおりです。

  • ウレタン塗膜防水:10〜15年程度
  • FRP防水:10〜20年程度

ただし、これらはあくまで一般的な目安であり、実際の補修時期は建物の立地条件や使用環境によって異なります。

紫外線や雨風の影響を受けやすい屋上などでは、防水層の劣化が早く進む場合もあります。

また、マンションでは防水工事が長期修繕計画(大規模修繕計画)に基づいて実施されることが一般的です。

多くの場合、屋上防水は大規模修繕の周期である12〜15年程度を目安に点検や改修が検討されます。

これは、国土交通省の「長期修繕計画作成ガイドライン」が、大規模修繕工事の周期として「12〜15年」を目安として提唱していることが背景にあります。

〈参照〉国土交通省ウェブサイト:マンション管理に関する各種ガイドライン等「長期修繕計画標準様式、長期修繕計画作成ガイドライン」

神奈川でマンションやビルの防水工事をご検討の方は、大進双建までお気軽にご相談ください。

現地調査で建物の状態を確認し、将来を見据えた最適な防水工法をご提案いたします。

現地調査・お見積りの依頼はこちら

防水工事のことなら「大進双建」にお任せください!

防水工事のことなら「大進双建」にお任せください!

ここまで、塗布防水と塗膜防水の違いをはじめ、塗膜防水に分類される代表的な防水工法や採用される場所、費用相場や耐用年数の目安について解説してきました。

塗布防水と塗膜防水は似た言葉ですが、意味や使われ方を理解しておくことで、防水工事の説明や見積書の内容も把握しやすくなります。

また、防水工事は屋上やバルコニーなど施工箇所の条件や建物の状態によって適した工法が異なります。

防水層の劣化状況や下地の状態を確認したうえで、建物に適した改修方法を検討することが重要です。

この記事が、塗布防水と塗膜防水の違いを理解し、防水工事を検討する際の参考になれば幸いです。

監修者情報

高橋 博之
高橋 博之株式会社大進双建 代表取締役
17歳から防水工事・外壁修繕の現場で実務を開始し、大手下請け会社や官公庁工事に携わる。
8年の実務経験を経て独立後、年間30件以上の大規模修繕工事を手掛ける。
住宅、アパート、倉庫などの防水・塗装工事においても豊富な施工実績を持つ。

一級建築施工管理技士
一級ウレタン塗膜防水施工技能士
一級シーリング防水施工技能士
一級塩化ビニルシート防水施工技能士
一級アスファルトトーチ防水施工技能士